家計管理が続かない——そういう悩み、すごくわかります。
でも私はちょっと違うタイプでした。
家計簿、しっかりつけていたんです。
市販の家計簿を試したり、自分で使いやすいように手作りしたり。
こまめに記録することが、当たり前になっていました。
でも、ある日気づいたんです。
とにかくめんどくさい。そして、こんなに細かく記録しているのに——先が、まったく見えていない。
来月のことはわかる。先月と比べることもできる。
でも、1年後は? 5年後は? 10年後は?
そこが、ぽっかり空白でした。
2022年、気づいてしまった
下の娘が中学に上がった年のことを、よく思い出します。
2022年の春。
入学式の写真を撮りながら、私は心の中でそっと計算していました。
制服代。教材費。部活の用具。
塾はまだ先かな。でも来年には……
そのとき、ふと思ったんです。
「毎月の記録には一生懸命なのに、全体の流れが見えていない」と。
今月いくら使った、先月より増えた減った。それはわかる。
でも、娘が高校に入ったとき、大学を卒業するとき、どうなっているのか——
まったく見えていなかった。
お金の心配と、娘の成長への嬉しさが、同時にありました。
その4年後、私は職場でつぶれて、休職しました。
収入が止まった。
でも、娘たちの生活は止まらない。
上の娘の高校進学。留学の話。
下の娘は中学3年になり、塾代がかかり始めていました。
数字だけ見れば、怖い状況でした。
でも不思議と、私は完全には崩れなかった。
なぜ崩れなかったか、今ならわかります。
「今どこにいるか」が、見えていたからです。
📚 休職シリーズ(全15話)
- 第1話|適応障害で休職するまで|限界に気づけなかった働くシングルマザーの記録
- 第2話|限界を超えた先で、私は休むことを選んだ
- 第3話|適応障害で休職を子どもに伝えた夜
- 第4話|適応障害で休職しても休めなかった
- 第5話|何もできない罪悪感と焦り
- 第6話|毎月の固定費が怖かった
- 第7話|傷病手当金が入るまで不安だった
- 📍 第8話|財産目録が少しだけ助けてくれた
- 第9話|削った支出・削らなかった支出
- 第10話|会社に戻るのが怖かった
- 第11話|休職しても何もできなかった理由
- 第12話|うつは理解されにくい
- 第13話|留学と高校入学が重なった家計のリアル
- 第14話|短期のお金は投資しない|NISAを減額して気づいたこと
- 第15話|生活防衛資金が100万円を切った日
前の話では、傷病手当金が実際に入金されるまでの不安について書きました。
→休職シリーズ第7話「傷病手当金が入るまで不安だった|休職3ヶ月目に感じたお金の現実」中学生になってから、お金の感覚がつかめなくなった
小学生のころは、なんとなく把握できていました。
かかるお金に、大きな変動がなかったから。
でも中学に入った途端、様子が変わりました。
部活、塾、制服。増えたのに、全体が見えなくなっていた
部活に入ると、用具代がかかります。
練習試合の交通費。ユニフォーム代。
塾も、最初は週1回だったのが、受験が近づくにつれて増えていく。
一つひとつは「そんなもんか」と思える金額でも、重なると大きくなる。
気づいたら、「今月いくら使ったっけ」が分からなくなっていました。
これが、家計簿が続かなくなった原因のひとつでもあったと思います。
変動が多くて、追いかけるのが大変で、気が重くなってしまって。
女の子特有の「ちょっと必要」が積み重なる
これ、誰も教えてくれなかったことなんですが。
女の子って、中学生になると急に「ちょっとこれ必要」が増えるんです。
服。靴。ヘアゴムやシュシュ。
友達の誕生日プレゼント。
スキンケアの「入門」を始めたがること。
一個ずつは大した金額じゃない。
でも積み重なると、月に数千円、気づいたら使っている。
これを「ダメ」と言えなかった。
娘たちは、シングルマザーの家庭で、我慢してきたことが多いから。
「おしゃれがしたい」「友達と同じものが欲しい」——それは普通のことだから。
だから削れなかった。削りたくなかった。
「でも全部合わせたらいくらになってるんだろう」という不安だけが、ずっとそこにあった。
財産目録を書き出した日のこと
ある日、もう逃げられない気がして、全部書き出しました。
特別なツールは使っていません。
ノートとペン、それだけです。
書いたのは、シンプルな4つのこと
- 今の預金残高(口座ごと)
- 投資残高(つみたてNISAなど)
- 今後1年間の大きな支出の予定
- 毎月の固定費と、大体の変動費
これだけです。
このとき、口座を楽天銀行に集約していたことが、すごく助かりました。
アプリを開けば残高がすぐわかる。
支出も楽天カードにまとめていたので、「今月何に使ったか」が一画面で見える。
口座もカードも、ひとつにまとめていたことで、「書き出す」作業が思ったよりずっとシンプルでした。
全部書いたとき、「あ、私は今ここにいるんだ」と思いました。
怖い数字もありました。
「え、こんなに減ってる?」と思う月もありました。
でも同時に、「まだある」も見えました。
頭の中だけで考えていたときより、ずっと現実的に考えられた。
不安は消えなかった。
でも、「見えない怖さ」だけが、少しだけ小さくなりました。
1年の見通しを作ると、「突然」が減る
次にやったのは、年間の支出予定を先に書き出すことです。
学費の支払い時期。塾の冬期講習代。
固定資産税。保険の更新。車検。
娘たちの誕生日と季節の行事。
これを1年分、先に並べる。
すると、「あ、来月は大きい月だ」と前から知ることができる。
突然じゃなくなります。
突然じゃないだけで、少し落ち着けます。
「なんでいつもお金がなくなるんだろう」じゃなくて、「来月は多めに出ていく月だから、今月は少し抑えよう」と考えられる。
それだけで、だいぶ違いました。
怖くて先を見たくなかったけど、10年で考え始めた
正直、長期で考えるのが怖かった時期があります。
先を見ると、大学の費用。老後の不安。
考えれば考えるほど、しんどくなる。
だから目を背けていました。
でもある時、逆に考え方を変えました。
10年を「細かく予測する」のではなく、「流れをざっくり知る」ために見ることにした。
上の娘が大学を卒業する年。下の娘が就職する年。
その年を境に、教育費が大きく減る。
今は「出る時期」の真ん中にいる。
でも、その先には「貯める時期」が来る。
それが見えただけで、
「ずっとこのままじゃない」と思えました。
見える化は、節約のためじゃなかった
財産目録を書いて、年間見通しを作って、10年を眺めてみて。
気づいたのは、私がやっていたのは節約のためじゃなかった、ということです。
目的は「安心するため」でした。
お金を増やしたかったわけじゃない。
怖くならないために、現実を知りたかった。
見える化しても、不安は消えませんでした。
傷病手当金がいつ終わるかは分からない。
復職できるかも、まだ分からなかった。
でも、「今どこにいるか」は分かった。
それだけで、少し呼吸できました。
そして気づいたのは、やり方はシンプルでよかったということ。
家計簿を毎日つけなくていい。レシートを全部保存しなくていい。
口座は楽天銀行でまとめて、支払いは楽天カード1枚に集約して、月に一度残高を確認する——それだけで、「今どこにいるか」は十分に分かりました。
ちなみに今は、支出のほぼすべてを楽天カードにまとめているので、細かい家計の記録はMONEYFORWARDに任せています。
楽天カードと連携させておくだけで、使った金額が自動で集計される。いちいち手入力しなくていい。
「細かい記録は自動」「大きな流れは自分で把握」。この分業にしてから、家計管理がずいぶん楽になりました。
無理に頑張らなくていい
完璧な家計管理は、続きませんでした。少なくとも私には。
でも続けなくてよかった、と今は思います。
「続けること」を目標にしていたから、しんどかったんだと気づいた。
大事なのは、少しずつ整えていくこと。それだけです。
私が今もやっていること:
- 年に一度、財産目録を書き出す
- 大きな支出は年間カレンダーに先に書いておく
- 口座と支払いはシンプルに一本化
それだけ。完璧じゃなくていい。
使っている方法はこちら:
次の話では、休職中に実際に削った支出・削らなかった支出について書いています。傷病手当金の中で何を優先したか、正直に書きました。
→休職シリーズ第8話「休職中に削った支出・削らなかった支出|お金が減る中で決めた優先順位」📘 家計の「見える化」を始めたいあなたへ
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ここまで読んでくださってありがとうございます。
同じように悩んでいた過去の自分に向けて書いています。
これからも、日々の気づきや心の整え方のことを発信していきます。
よかったら、また読みにきてください。
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